大判例

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東京高等裁判所 昭和61年(ネ)2828号 判決

控訴人は、当審において「控訴人が被控訴人両名に対し金三〇〇〇万円を支払うのと引換えに」本件建物等の収去、本件土地明渡し等を求めている(控訴の趣旨第二項)けれども、およそ、土地の賃貸人が借地法六条二項、同四条一項ただし書の規定による異議を述べ、期間満了を理由に賃貸借の終了を主張し、その正当事由を補完する趣旨のもとに立退料等金員の提供を申し出る場合、右建物の借家人に対しことさら金員の提供をしなければならない特段の事由がない限り、借地人に対して右金員の提供をすべきものと解されるところ、本件においては、上記認定のとおり本件建物等の所有者は被控訴人桑原香であり、かつ、同人が本件土地の借地人であって、被控訴会社は右建物の借用者にすぎないことが明らかであり、また、被控訴会社に対し前記趣旨の金員提供をしなければならない特段の事由も認められないから、控訴人が「被控訴人両名に対し金三〇〇〇万円を支払う」と申し出たのは、「被控訴人桑原香に対し金三〇〇〇万円を支払う」趣旨の誤りであると解するのが相当である。

(舘 牧山 小野)

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